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パガニーニの時代

パガニーニが生きた18世紀から19世紀にかけてのヨーロッパは、まさに近代化へ向けての過渡期にありました。彼が生きている間にフランスではマリー・アントワネットが首を斬られ、ナポレオンが台頭し、イギリスでは産業革命が始まりました。ものすごい勢いで変わってゆく世界に、彼はヴァイオリン一本で飛び出し、活躍しました。

 

執事

19世紀の風習として、家庭教師や執事などは元々裕福な家の出の人が多かったと言われています。家が没落して食うに困ると、執事になったり、自分の教養を教える家庭教師になったりしました。アルマンドもそんな人間の一人です。旧家には代々の召使いが仕えていますが、パガニーニのように新しく金持ちになった人には、こういう人がつきます。
 

悪魔と契約したといわれる音楽家

悪魔と契約して、その魂と引き換えに超絶技巧を手に入れたと言われる音楽家は他にもいます。例えばブルース歌手のロバート・リロイ・ジョンソン。彼は「国道61号線と国道49号線が交わる十字路」で悪魔と契約したとされます。真偽のほどは分かりませんが、27歳の若さで亡くなっており、その死因は不明というから怖いですね。十字路ではありませんが、ジュゼッペ・タルティーニは夢の中に出てきた悪魔と契約を結び、「悪魔のトリル」というヴァイオリンソナタを作曲したと言われています。
 

ジプシー

元々は「エジプト人」という意味ですが、今では完全なる差別用語です。日本人にはあまり馴染みはないですが、各地を転々として暮らす人々を揶揄して使われます。海外で使うと怒られることもありますので注意が必要です。
 

ロマ

「悲劇の少数派」と呼ばれるロマは北インドで誕生し、14世紀頃からギリシャやヨーロッパで活躍するようになります。何世紀にもわたって住む場所を追われ、彷徨い続けてきた人々ですが、音楽、ダンス、アートなど芸術性に優れていることでも有名です。ブラームスなどは、彼らが残した楽曲を「ハンガリー舞曲」として編曲するほど愛していました。パガニーニもロマ達の音楽の影響を受けたと言われています。オペラ「カルメン」の主人公もまたロマです。
 

ソロモン72柱

ソロモン王とは旧約聖書に登場する紀元前10世紀の王様の名前です。強力な魔術を持っていたと言われ、魔術学の始祖のような人です。大天使ミカエルから与えられた「ソロモンの指輪」で天使や悪魔を使役できたと言われています。ソロモン72柱とは、このソロモン王が封印したとされる72体の悪魔のことです。それぞれに、「王」や「公爵」など階級があります。アムドゥスキアスはその一人でもあります。
 

グァルネリ・デル・ジェス

ヴァイオリンの名器といえばストラディバリ作が有名ですが、グァルネリも勝とも劣らぬ名人です。パガニーニは、グァルネリ作のカノンを所有していました。
 

カノン

「大砲」の意味です。大きな音が出ることから名づけられました。パガニーニは生涯愛用し、死後「他人に譲渡、貸与、演奏をしない」という条件でジェノヴァ市に寄付しました。